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1998

August
August 20, 98 2002年の鍵を握るユース世代

静岡はサッカーどころ

    私は、浜松に在住しているが、静岡に在住しているメリットとしてユース世代のレベルの高いサッカーに触れることがをあげられる。私は元々東京出身なので、静岡に来てみてユース世代、あるいはそれ以下の世代のサッカー熱の高さを本当に実感している。日本代表にあれだけ静岡県出身者が名を連ねるのも納得出来る。それだけ、他の地域とまだまだ温度差があるということである。

    それでも、浜松がある静岡県西部地区は、清水、静岡などのサッカー所の静岡県中部に比べてサッカー熱が劣る。浜松は、もともと静岡県の中でも浜商、浜工に代表されるに高校野球が盛んな地域だ。私が応援するご当地チームである本田技研が昨年、J準会員申請を地域のサポートが十分得られずに断念したのも、そんな土地柄が大きく影響したと思う。それでも、小学生レベルでは浜松JFCという選抜チームが今年は良い成績を納めているので、将来に期待したいところだ。

夏の楽しみSBSカップ

    浜松に来てからの夏の楽しみの一つがSBSカップだ。SBSカップ、正式にはSBSカップ国際ユースサッカーは歴史のある大会で、1977年以来毎年この時期に海外からチームを招いて行われている。1996年からは、日本ユース、静岡県選抜と海外から2チームほど招待しての一回戦総当たりリーグ戦形式の大会となっている。

    昨年の大会には、日本ユースは、現レッズの小野、エスパルスの市川、現ジュビロの高原などそうそうたるメンバーを擁して、ユベントス、アメリカ・カリ(コロンビア)、静岡ユースを寄せつけずに3連勝で優勝を飾った。

    なんといっても、ブレーク寸前の小野のプレーは見事だった。同世代のヨーロッパ、南米のプレーヤーと比較しても、まったく遜色ない、いや逆にかなり優れたプレーを披露して大物ぶりを示した。印象に残っているのが、アメリカ・カリが小野専門のマーカーを付けて、小野がタッチライン際で水を飲んでいる時まで、マークしていたことだ。その前年も、小野は静岡ユースでこの大会に出場して、対戦したアヤックスがぜひ、小野を連れて帰りたいと言ったことで話題になった。小野には、グランドに立つだけで、大物選手独特のオーラを放っていたのが印象に残った。

アンダー19日本代表はタレント軍団か?

    今年のSBSカップは、ドイツからドルトムント、ブラジルからクルゼイロのユースチーム、それに日本からは、アンダー19日本代表、静岡県選抜の4チームが参加して行われた。なんといっても注目は、世界大会の予選を控えたアンダー19日本代表チームである。残念ながら、小野、高原といった主力は出場しなかったが、それでも東福岡から鹿島に入った中田浩二、マリノスの古賀、鹿島の小笠原など次世代を担う注目のタレントがいっぱいだ。初戦のクルゼイロ戦を観戦したが、その内容はまったく期待はずれだった。特に、中田ははじめて実際のプレーを見たが、まだまだ中盤でのミスパスが目立ち、ちょっとがっかりした。

    チームとしてのコンビネーションが出来上がっていない点を差し引いても、個人個人の技術、戦術の精度がまだまだもの足りない。中盤でパスを回すが、フィニッシュが悪いところなど、トップの代表チームがワールドカップで露呈した欠点そのままだ。この世代で、基本的な技術、戦術の理解が完成していないと、その後世界に通用する選手には育たない。20歳過ぎてから、いくらトレーニングしてももう遅いのである。

    しかしその中でも、本山やジェフの酒井のプレーは光るものがあった。また、ガンバ大阪の播戸のスピード溢れる突破力は魅力的だ。播戸はスピードがあるだけでなく、一対一の強さやテクニックもあるところがレッズの岡野とは違うところだ。スポーツ紙でも、"日本のオーエエン"と早くも注目している。彼はもしかしてブレークするかもしれない。

個人技が際だつブラジル

    対戦したクルゼイロは、ブラジルでもユースの中では、ベスト4に入る実力と聞いたが、コンディションが悪いせいか、それほどすごい選手は見あたらなかった。それでも、日本に攻められながらもきっちり守って、最後に一点取って勝つあたりはさすがだ。クルゼイロは、結局全勝でSBSカップ優勝を飾った。このあたりが、ブラジルの底力だろう。ドルトムントは、静岡ユースには勝ったものの、クルゼイロには1-2で、日本ユースには渡しの記憶が正しければなんと10-0で敗れるなど期待はずれに終わった。

    3年連続でこの大会を見ているが、やはりユースレベルではブラジルの選手の方が、ヨーロッパの選手に比べて個人技レベルで数段上である。キックの種類、ドリブル、キープ力など技術の選択肢が断然多いようだ。また、この年代ですでに、しっかりとゲームの流れを読む力や"マリーシア"で有名なずる賢さをしっかり身につけている。ヨーロッパの選手は、まだまだ組織のサッカーに対してフィジカル面がこの年代では追い付かないので、どうしても個人レベルの戦いで見劣りしてしまう。

    それにしても、年代がかわってもしっかりと良いところも悪いところも、その国のサッカーが反映してしまうのは面白い。今回のアンダー19の日本代表は過去に例を見ないほどのタレントが揃ったと言われている。そのタレントを擁しても、決定力不足という日本サッカーの課題が現れているといのは残念だ。なんといっても、この世代が2002年を担うプレーヤーたちだからだ。もうすでに、時遅しなのだろうか?

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