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大人の時間が始まった
日本国内のワールドカップ・フィーバーも日本の一次予選敗退とともに一段落した。これまでのワールドカップでは考えられないほどのマスコミの盛り上がりもようやく収まり、これからはいよいよ本当のサッカーファンの為の大人の時間が始まった。
とはいっても、自分の国の代表が参加していることは、これほどにもサッカーファンのサッカーの見方に影響を与えるとは想像できなかった。他のワールドカップ常連と言われている国々のファンは、こうした経験を何十年と続けている訳だ。日本のサポーターもまだまだこれからだ。
しかし、冷静にワールドクラスのサッカーを楽しむのもまた良いモノだ。ようやく決勝トーナメントに入り、いつものようにワールドカップを楽しめるようになった。ここで、これまでの試合を見て気が付いたことを述べてみたい。
世界のサッカーは停滞期にある?
イタリア大会以降、どうも試合のレベルが落ちたように思えてならない。94年のアメリカ大会は、暑さとの戦いの為、どうしても省エネサッカーになり、スピードあるプレーを見ることは出来なかった。今年の大会では、本来のスピード溢れるレベルの高い試合が見られると期待していた。しかし、実際にはスローテンポで守備的な試合が多いように思えてならない。特に、新しい戦術を駆使した新鮮なチームも見られない。
ドイツの2部リーグのチームに敗れたメキシコが、あわやドイツを苦しめたのも代表チームの地盤沈下を表している。唯一、創造性溢れるゲームをみせてくれているのがフランスだが、それでもジダンに頼る部分が大きく、絶対的に優れているとは言えない。ヨーロッパクラブ・チャンピオンズ・カップなどのクラブレベルの試合の方が、レベルが高いと思うのは私だけであろうか。
優勝出来るのは22人で戦えるチーム
アルゼンチンはオランダに敗退したが、アルゼンチンのワールドカップは、オルテガが退場した時に終わったと言っても過言ではない。アルゼンチンにはオルテガの代わりになる選手が見あたらないのだ。連戦が続くと当然警告や退場などで出場停止になる選手が出てくる。その代わりの選手が、レギュラーと遜色のない選手をそろえているかが鍵だ。
総合力という点では、フランス、オランダ、ブラジルだろう。クロアチアもベスト4に残ったが、ボクシッチがいないのが本当に惜しい。トップのスーケル頼みでは、準決勝までが精一杯ではないだろうか。オランダは、それほどクリエイティブだとは思わないが、総合力ではバランスが取れているし、穴が少ない。ブラジルは、総合力はあるが守備に脆さがあるのが少し気になる。決勝のカードとしては、フランスvsブラジルが面白そうだが、フランスvsオランダという線になりそうな気がする。ただ、サッカーは本当に何が起こるかわからない。
世界のフォワードはさぼり上手
モダンサッカーでは、「守備が出来ないFWはダメ」だと一般的に言われているが、今回のワールドカップを見ていると必ずしも、そうではないように思える。むしろ、各国の攻めの起点になる選手は、けっこう守備をさぼっている選手が多い。力の使い方がうまいのである。死んだふりをしていて、ここぞという所で力を発揮するのである。もちろん、そうした選手の影には、その動きをカバーする"汗かき役"の選手がいることは言うまでもない。
日本の中山、城といったFWは、プレーがあまりに正直過ぎた。彼らは、忠実な守備という名のもとに、自分の集中力を使い果たして、肝心な時にパワーを発揮出来なかったのではないだろうか。日本の選手の運動量は、世界の一流に比べても遜色がないが、その使いどころ問題なのだ。「FWは、89分さぼっていても良い。残りの1分で仕事をすれば」という釜本氏の言葉を思い出す。
さあ、ワールドカップも後残すところ4試合。大人の時間を楽しもうではないか。
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