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March 3, 99 実業団スポーツの終焉(その二)
日本の企業を取り巻く環境が、激しく変化している昨今、その影響はスポーツ界に大きな陰を落としている。前回は、"グローバル・スタンダード"に対応しなければ、もはや生き残れない企業にとって、日本独特の実業団スポーツを維持していくことは許されなくなってきていることに言及した。それでは、今後日本のサッカー界、いやスポーツ界はそれに代わるシステムを構築することが出来るのだろうか。今回は、その可能性をサッカークラブの運営に絞って探ってみたい。

 

赤字補填に代わるクラブの収入源は?

    サッカークラブを運営していくには、入場料収入、スポンサー料、テレビ放映料などいくつかの収入源を確保しなくれはならない。もうここに記すべくもなく、これまでのJリーグのクラブのメインの収入源としては、母体企業による赤字補填がメインとなるいびつな収益構造となっている。しかし、もはやこの"収入源"に頼ることは難しくなった。まず、赤字補填に頼らない自立したクラブ経営を目指すことが、まず重要であることは間違いない。

    しかし、だからといって入場料収入などの身の丈経営でしのげるかといえば、そう簡単にはいかない。それは、今期の平塚の状況がよく示している。今のJリーグの観客動員では、入場料収入といくばくかのスポンサー料だけで得られる年間の運営予算は10億円程度が良いところだろう。そうなると、当然抱えられる選手の年俸も限られてくる。華のあるスター選手を保持することも出来ない。もちろん、それでも若い選手を鍛えて、育てて、上手な戦い方が出来る監督がいれば、ある程度はやれるだろう。しかし、優勝争いをするレベルまで持ち上げていくのは難しいし、固定客以外の新しい観客が競技場に行きたくなるような魅力的なチームにすることは難しい。

    また、横浜FCのソシオに見るような市民株主的システムは、企業の赤字補填に代わる収入源の一つであるのは間違いない。完全に、ホームタウンの市民の出資によるクラブ運営、これは理想ではあるが、現実の日本ではまだまだその土壌は育っていないのも事実である。ヨーロッパの有名クラブでも、大企業のオーナーなどが個人でクラブに出資しているケースが多い。これは、結局、日本の企業による出資と同じことかもしれない。やはり、パトロンがいればいるにこしたことはないのである。

 

企業への税制優遇が鍵

    企業が福利厚生とか広告宣伝といった形で、クラブを保有することが難しくなったと、これまで書いてきた。それでは、それに代わる企業にスポーツに関わらせる方法はないのだろうか。

    企業が積極的にサッカークラブの運営などのスポーツ活動に出資させるには、どうしたら良いのだろう。私は、国がスポーツ振興の為にも、サッカークラブなどの運営に出資している企業に対して、税制の面で優遇措置を打ち出すべきだと考える。企業の広告宣伝活動ではなく、地域のスポーツ振興に貢献するための出資に関しては免税措置を講じるのである。国だけでなく地方自治体も免税措置を講じればなお効果的だろう。そうなれば、企業もスポーツ振興への出資の口実が出来る。また、サポートする競技もサッカーだけでなく、複数の競技を支援すればするほど節税にするなどの施策も良いだろう。スポーツ振興は、節税になるし、広告宣伝より志の高い企業アピールになる。

    税制の優遇、これが鍵である。釜本氏はもちろん、スポーツ選手出身の国会議員あたりが、がんばれないものだろうか。

 

サッカーくじは誰の為

    市民、企業とならんで、今後より重要となるのは地方自治体のサポートである。これまで、Jリーグはホームタウン制などで地域との密着をうたってきた。しかし、現状で地方自治体をどれだけ巻き込んでいるかはきわめて疑問なところである。それには、やはり餌が必要だ。企業には、節税。それでは地方自治体への餌は、何?

    私は、サッカーくじを餌にしたらどうかと思う。サッカー場を整備し、その地域にクラブを持っている自治体には、サッカーくじの収益金が優先的に回るようにするのである。サッカークラブを持っている自治体は、サッカーくじの恩恵が受けられるとなれば、自治体は本気でクラブを誘致しようとするのではないだろうか。J2のクラブよりJ1のクラブ、それも順位が上になればなるほど、還付金が増えるといった仕組みを作れば、自治体がチーム強化に乗り出すかもしれない。少なくとも、Jを目指すチームが地元にあれば、現在とはまったく違った力の入った支援が得られるのではないだろうか。ギャンブルの汚いイメージもあるかもしれないが、サッカーがただ単に政治家の食い物にされるサッカーくじのシステムより、よっぽどましだと思う。

    今回は、結構過激な意見を述べた。市民株主、クラブに出資する企業への優遇税制、地方自治体へのサッカーくじによる優遇措置、こうした思い切った仕組みを考えていかないとこれまでの日本の学校スポーツ、実業団スポーツに代わる仕組みは出現しないのではにだろうか。

  • みなさんは、どう思われますか、ぜひみなさんのご意見ご感想を当サイトのBBSにお寄せ下さい。お待ちしています。次回は、横浜FCを巡る話題を取り上げてみたい。

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